【ネタバレ全開】コナンの「救われない」アニオリ回まとめ|後味が重い神回を28年ファンが解説

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「事件は解決したのに、なんでこんなに後味が悪いんだろう」——コナンを見ていて、そんな回に出くわしたことはありませんか。

犯人は捕まった。トリックも解明された。それなのに、誰も救われていない。こういう重い読後感を残す回は、実はアニメオリジナル(アニオリ)に多く集まっています。

この記事では、見終わったあとにずっしり残る「救われない」アニオリ回を、結末まで全部ネタバレした上で、なぜそこまで重いのかを28年見続けてきたわたしが解説します。

⚠️【重要】この記事は犯人・動機・結末をすべて明かしています。未視聴の回がある方は、必ず本編を観てからお読みください。

目次

“救われない”アニオリ回・早見表

まずは全体像です。どんな重さの回なのかを確認してから、気になる回の解説に進んでください。

放送年救われなさの正体
謎解き水上バス(956〜957話)2019年恩師を守ったつもりが結果として恩師を死なせた
オートマティック悲劇(990〜991話)2020年父を殺した犯人は、依頼人本人だった
空白の一年(1030〜1031話)2021年ただ目撃しただけの人が、口封じのため殺された
雨と悪意のスパイラル(1062話)2022年誰も殺意がないのに人が死ぬ
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並べて気づくのは、どれも近年(2019年以降)の回だということ。アニオリの作風が、ある時期から明らかに踏み込んだものに変わっているのが見て取れます。

謎解き水上バス(956〜957話)|守ろうとしたことが、死を招いた

2019年放送。米花公園近くで起きた門脇栄二の殺害事件に、火災という二重のトラブルが重なる前後編です。

トリックと犯人

この事件、実は二つの死が重なっています。ひとつは門脇栄二の殺害、もうひとつは栄二の母・安子の死です。

栄二を殺した犯人は高瀬林太郎。安子のかつての教え子です。犯行時刻には居酒屋にいたと証言していましたが、コナンは体格の似た友人とトイレで入れ替わっていたアリバイトリックを見抜きます。

高瀬が栄二を手にかけたのは、栄二が母・安子を虐待していると誤解したからでした。恩師への恩返しのつもりで、彼は殺人に踏み切ったのです。

なぜ救われないのか

皮肉なのはここからです。高瀬が「安子を守るため」に栄二を殺した一方で、当の安子を実際に死なせたのは、栄二の兄であり安子の実の息子・門脇優一でした。警察の事情聴取を受けた苛立ちをそのまま母にぶつけ、放火という形で安子を死なせてしまったのです。

安子を思って人を殺した高瀬と、安子を追い詰めて死なせてしまった実の息子。守ろうとした側と、身内でありながら追い詰めた側がまったくの別人だったという構図に、救いの置き場所がありません。

トリック自体は鮮やかです。それでも視聴者から「珍しく誰一人救われていない」という感想が挙がるのは、この動機のねじれに理由があります。

オートマティック悲劇(990〜991話)|依頼人が、犯人だった

2020年放送。毛利探偵事務所に、思い詰めた様子の男性・大出房矢が現れます。十日前に殺害された父・頼太の犯人を捜してほしい、という依頼です。

衝撃の真相

結論から言います。この事件に、家に押し入って父親を殺した犯人は最初から存在しませんでした。

当初は、遺体発見時に大出家にいた平(たいら)という男が容疑者とされます。しかし彼は「盗みは働いたが、殺してはいない」と証言。捜査を進めるうちに、真相が明らかになります。

父を死なせたのは、依頼人である房矢自身でした。ただしそれは、殺意のある殺人ではなく事故です。

言い争いの末、房矢に突き飛ばされた父は倒れた拍子に頭上の吊り棚を巻き込み、頭を強打。急性硬膜下血腫を発症しました。ただし「意識清明期」と呼ばれる症状のせいで、頭を打った直後はしばらく普通に会話ができてしまいます。

房矢が家を飛び出した時点では、父はまだ受け答えできる状態でした。それから数時間後の午後4時半ごろ、容体が急変し、ひとりのまま亡くなったのです。

なぜ救われないのか

房矢は依頼の時点から「親父は、俺が死なせたんです」と言い続けていました。姉の婚約者に迷惑をかけまいと家出を計画し、それを見つけた父と言い争いになり、家を飛び出した——彼自身はそこまでしか覚えていない。だからこそ、犯人を捜してほしいと願った。

タイトルの「オートマティック」が示すとおり、噛み合った歯車が止まらないまま、悲劇へ自動的に進んでいく構成です。姉の結婚も、自分の就職も決まった。ようやく歯車が止まる、というところで突きつけられる真実。

犯人を捜してほしいと願った人が、犯人だった。この構造に、救いの置き場所はどこにもありません。

空白の一年(1030〜1031話)|目撃しただけで、口を封じられた

2021年放送。何者かに車道へ突き落とされ、記憶喪失に陥った男性・江坂立雄が、コナンや小五郎とともに失われた1年の記憶を取り戻していく長編です。

二重の真相

この回の構造は、二つの事件が入れ子になっています。

半年前、金原拓三という男が大杉晃という人物ともみ合いになり、大杉を死なせてしまいました。金原の義理の姉の弟が、この大杉に騙されて命を落としていた——その因縁がもとになった衝突でした。

たまたまこの現場を目撃してしまったのが江坂です。ただし江坂自身は、その後の出来事で1年分の記憶を失っていました。

そして江坂が事件の記憶を取り戻しかけていることに気づいた金原は、口封じのために動きます。祝いの席でこっそり合鍵を作り、江坂の部屋に忍び込んでコーヒーに毒を盛り、密室の自殺に見せかけて偽の遺書まで用意したのです。

なぜ救われないのか

いちばん苦いのは、江坂はただ事件を目撃しただけの人間だったということです。殺人に関わったわけでも、誰かを裏切ったわけでもない。たまたまその場に居合わせ、記憶を取り戻しかけたという理由だけで、口を封じられました。

金原にとっても、最初から人を殺すつもりの人生ではなかったはずです。身内を騙されて死なせた恨みから始まった一つの衝突が、目撃者の口封じという、もう一つの殺人を呼んでしまう。

記憶を失ったことも、思い出したことも、江坂にとって何ひとつ救いになりませんでした。ただそこにいた、というだけで全てを奪われた回です。

雨と悪意のスパイラル(1062話)|誰も殺意を持っていない

2022年放送。河原で放置されていた車を見つけたコナンたちが、翌日その持ち主の女性が亡くなったというニュースを目にするところから始まります。

「犯人」がいない事件

被害者は恩田たまき。部下の城崎ゆり菜を後継者に考えていたからこそ、彼女に厳しく接していた人物です。

この事件の特異な点は、「この人が犯人です」という明確な形にならないことです。

部下の城崎ゆり菜は、企画を巡る言い争いの中でタブレットを恩田にぶつけてしまいます。厳しい指摘を、嫉妬からの意地悪だと思い込んでいたのです。

そのすぐ後、宅配ドライバーの小藪竜次が運転する車が恩田と接触します。竜次には前科があり、盗みも重ねていたため、警察に関わることを恐れてそのまま逃げてしまいました。

ひとつひとつの怪我は、それだけでは命に関わるものではありませんでした。ですが、ゆり菜の一撃と竜次の接触という二つの負傷に、雨の中に放置された時間が重なり、出血によって恩田は亡くなってしまったのです。

ひとつひとつの選択は、殺意ではありません。嫉妬されていると思い込んだ怒り、警察沙汰を恐れる保身。誰もが少しずつ「今は関わりたくない」と思った結果が、雨の中に取り残された一人の女性の死につながりました。

なぜ救われないのか

タイトルの「スパイラル」が示すとおり、これは小さな悪意の連鎖が人を殺した事件です。ボイスレコーダーに残されていたのは、その負の連鎖の記録でした。

誰か一人を憎めば済む話なら、まだ楽です。でもこの回にはそれがない。「自分だって、あの場にいたら同じことをしたかもしれない」——そう思わせてくるところが、いちばん重いのです。

えどはこう思う|なぜアニオリだけが”救われない”回を作れるのか

ここからはわたし個人の考察です。この4本がすべてアニオリなのは、偶然ではないと思っています。

原作には、青山剛昌先生が描く大きな物語の流れがあります。黒の組織、正体を隠す新一、少しずつ進む恋愛。長く続く連載を支えるには、読者が「また来週も読みたい」と思える読後感が必要です。だから原作回は、どこかに救いや前向きさを残す作りになりやすい。

一方でアニオリは、その大きな流れから一時的に外れられる自由な枠です。次回に持ち越すものがないぶん、「誰も救われないまま終わる」という選択ができる。制約がないことが、逆に踏み込んだ挑戦を許しているんだと思います。

4本を並べて見えてくるのは、共通して「悪人がいない」ことです。高瀬も、房矢も、金原も、ゆり菜も——誰ひとり、最初から人を殺そうとしていません。守りたかった、逃げたかった、怖かった。その延長線上に、取り返しのつかない結果がある。

だからこの4本は、コナンという作品の「例外」ではありません。むしろ、アニオリという枠でしか描けないものを、制作陣が本気で取りにいった結果だと受け取っています。「アニオリだから軽い話だろう」と侮ると、痛い目を見ます。

よくある質問

Q. アニオリとはどういう意味ですか?
「アニメオリジナル」の略で、原作の漫画にはない、アニメ独自のストーリーを指します。原作の合間を埋める目的で作られることが多いですが、中には語り継がれる名作もあります。

Q. 一番後味が重いのはどれですか?
好みが分かれますが、「珍しく誰一人救われていない」と評される謎解き水上バス(956〜957話)と、依頼人自身が犯人だったオートマティック悲劇(990〜991話)が特によく挙げられます。

Q. 泣ける回や怖い回も知りたいです
感動系は泣ける回・感動回まとめ、ホラー系は怖い回・トラウマ回まとめにそれぞれまとめています。

まとめ

  • “救われない”読後感の回は、近年(2019年以降)のアニオリに集中している
  • 4本に共通するのは「悪人がいない」こと。守りたかった・逃げたかった延長に悲劇がある
  • 次回に持ち越すものがないアニオリだからこそ、救いのない結末を選べる

次に見返すときは、事件の謎だけでなく「この人たちに逃げ道はあったのか」に注目してみてください。まったく違う作品に見えてくるはずです。

あなたが忘れられない”重い回”はどれですか?ぜひX(@conanote_edo)で教えてください。

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この記事を書いた人

28年来の名探偵コナンファン。1998年公開の「14番目の標的」が映画館初体験です。考察・伏線・キャラクターの変遷を追うのが得意分野。コナンの魅力を、同じファン目線でゆるく深く綴っていきます。

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