「この犯人、責める気になれないな」
名探偵コナンを見ていて、そう思った回はありませんか?
Xで同じ問いを投げかけると65件もの声が集まりました。
この記事では、同情してしまう犯人の中から特に声が大きかった7本をご紹介。
- 同情してしまう犯人は?
- コナンの探偵観とは?
⚠️ この記事にはネタバレが含まれます
犯人の正体・動機・結末まで具体的に触れています。未視聴の回がある方はご注意ください。
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結論:1番多かったのはピアノソナタ月光殺人事件の浅井成美

Xで「この犯人だけは同情してしまう回、ありませんか」と聞いてみました。
投稿は38万人以上に届き、返信は65件。
- 1位:浅井 成美 11件
- 2位:西谷 美帆 4件
- 3位:日向 幸 3件
1番多かったのは「ピアノソナタ月光殺人事件」の成美先生が最多で11件。
原作を挙げる人、アニメオリジナルを挙げる人、劇場版を挙げる人。
同じ作品を長く追いかけていても、心に引っかかる場所はこれほど違うのだと知りました。
犯人を網羅的に知りたい方は、名探偵コナン 名物犯人ベスト7とコナン映画の犯人・動機一覧にまとめてあります
同情してしまう犯人7選
放送・公開順に並べました。
1. ピアノソナタ『月光』殺人事件(原作7巻/アニメ11話)
シリーズ全体でも特別な位置にある回です。
月影島に招かれたコナンたちが、連続殺人に巻き込まれます。
犯人は検視を担当していた医師・浅井成実(あさい なるみ)。
その正体は、12年前に一家心中したピアニスト・麻生圭二の息子、麻生成実(あそう せいじ)でした。
真相を暴かれた成実は、公民館に火を放ちます。
そして父が遺した『月光』を弾きながら、炎の中で息を引き取りました。
最後に犯人が自殺して終わるストーリーは後にも先にも成美先生だけ。
コナンの心に深く刻まれる印象的なエピソードです。
2. ストーカー殺人事件(アニメ第71話)
原作にはない、アニメオリジナルの回です。
1997年8月11日に放送されました。
ファミリーレストランで働く西谷美帆が、客の永井達也(26歳)を殺害します。
永井は司法試験を目指して勉強中の男性でした。
ただ、この事件には前段があります。
西谷は永井から執拗なストーカー被害を受けていました。
1週間前には駅の階段で背中を押され、「お前を殺してやる」と脅されています。
決定的なのは、永井がナイフやガムテープを隠し持っていたことです。
彼は本当に、彼女を殺すつもりでいました。
警察に相談しても動いてもらえなかった、自分で身を守るしかなったという描写が重いです。
3. 名家連続変死事件(原作15〜16巻/アニメ第77〜78話)
長門建設の社長・長門光明(36歳)が殺害されます。
犯人は長門会長秘書の日向幸(ひゅうが みゆき)、26歳でした。
日向は20年前の火事で両親を亡くしています。
そしてその火事を起こしたのが、光明と秀臣の2人でした。
秀臣は罪を悔いて自ら命を絶ち、遺書に真相をすべて書き残していたのです。
つまり日向は、20年間その事実を知らずに、親を殺した相手のそばで働いていたことになります。
秀臣の遺書がなければ、日向は真相を知らないまま生きていられました。
知ってしまったことが不幸の始まりだと思うと、やりきれません。
4. 劇場版第2作「14番目の標的」(1998年公開)
犯人はソムリエの沢木公平(36歳)。
小五郎の古い友人で、自分の店を持つことを目標にしていた男です。
沢木は交通事故で味覚障害を負いました。
原因はモデルの小山内奈々によるひき逃げです。
ソムリエにとって味覚は仕事そのもの。
彼は積み上げてきたキャリアを、他人の身勝手な運転で失いました。
さらに、標的にはワインの管理が杜撰だった旭、知ったかぶりをした仁科、ソムリエを馬鹿にした辻が並びます。
仕事への誇りを踏みつけられてきた経緯が、描かれました。
一方で、他の被害者はトランプの数合わせで巻き込まれただけでした。
自分の犯行を隠すための身勝手な行動を非難する声も目立ちます。
5. きのこと熊と探偵団(アニメ第212〜213話)
少年探偵団が松茸狩りに出かけた先で、ハンターの遺体を見つけます。
犯人は雑賀又三郎(さいか またさぶろう)というハンターです。
被害者もまた、同じ山に入っていたハンターでした。
雑賀には守りたいものがありました。
十兵衛と名づけた熊です。
20年前、雪山で遭難した雑賀の命を救ったのが、この熊でした。
被害者は、その十兵衛を狩ろうとしていました。
しかも子熊を殺して木に吊るし、親熊をおびき寄せる方法で。
雑賀は、「被害者の男が悪魔のように見えた」と語りました。
6. 劇場版第5作「天国へのカウントダウン」(2001年公開)
富士山の絵で知られる日本画家、如月峰水(きさらぎ ほうすい・60歳)が犯人です。
殺害されたのは市議会議員の大木岩松と、TOKIWA社長の常盤美緒でした。
「富士山が見えなくなったから」と要約されがちな動機です。
ただ、それだけだと話の半分が抜け落ちます。
まず、常盤美緒は如月の弟子でした。
その弟子が師匠の絵を買い占め、高値で売りさばいてたのです。
2人の仲はそれ以前から険悪。
如月は年齢とともに、丘まで出向いて描くことが難しくなっていました。
そこで丘ごと買い取り、富士山が最もよく見える位置にアトリエを構えます。
終の住処のつもりだったのでしょう。
そこへ建ったのが、条例を強引に改正させて設計されたツインタワービル。
最後の仕事場から見えるはずだった富士山が、真っ二つに遮られたことは犯人にとってこの上ない苦しみとなり、反抗に手を染めてしまいます。
7. 大阪”3つのK”事件(原作29巻/アニメ第238〜239話)
大阪でレストランを開いたスポーツ選手3人のパーティーで、新聞記者が射殺されます。
被害者はシカゴ在住の記者、エド・マッケイ(48歳)。
犯人はスポーツ選手の一人、レイ・カーティスでした。
エドは事実ではない記事を書いていました。
その記事が原因で、レイの妻は自ら命を絶っています。
レイはその後、悲しみから逃れるために薬物にも手を出していました。
憧れだったサッカー選手・レイの犯行は、コナンにとってとても苦い事件となりました。
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「月光」から始まった、コナンの探偵観
月光がかえたコナンの探偵観
月影島の事件のあと、コナンは考えを改めました。
「推理で犯人を追い詰めて自殺させるような探偵は、殺人犯と変わらない」。
犯人を捕まえることではなく、生きて罪を償わせることを自分の役目にしたのです。
この信念は、その後の事件でコナンの行動として現れます。
その後の事件でのコナンの行動
「名家連続変死事件」が、まさにその回にあたります。
影響を受けたのはコナンだけではありません。
服部平次も同じ考えを引き継いでいます。
「浪花の連続殺人事件」(原作19巻)では、銃で撃たれながら犯人の自殺を止めようとしました。
そして、「天国へのカウントダウン」にも同じ場面があります。
追い詰められた如月は、毒を飲んで死のうとします。
それを止めたのがコナンの麻酔銃でした。
このときの台詞が「悪いな…探偵として、アンタを死なせるわけにはいかねーんだ…」です。
月光は全ての起点だからこそ心に残る
月影島で救えなかった相手のことを、コナンはまだ覚えている——そう思わせる一言でした。
つまり月影島の事件は、単発の悲しい話ではありません。
コナンと平次の探偵としての在り方を決めた、出発点になっています。
えどはこう思う|同情には濃淡がある
Xの反応で見えてきたのは同情できるかどうかは、0か100ではないということです。
一番わかりやすいのが「14番目の標的」でした。
ひき逃げで味覚を奪われたこと。
ソムリエという仕事を馬鹿にされ続けたこと。
ここまでは、わたしも同情します。
人生をかけたものを他人の身勝手で壊されたら、恨みを持たないほうが難しい。
ただ、沢木が実際にやったことは違いました。
トランプの数合わせのために、恨みとは関係のない人まで標的にしています。
蘭も巻き込まれました。
動機には同情できても、手段には同情できない。
わたしはこの線引きが、この回を語るうえで一番大事なところだと思っています。
この差がはっきり出るのが、如月峰水との比較です。
如月は恨みのある人だけを狙い、無関係の人間には手を出していません。
同じ「奪われた側の復讐」でも、どこで線を引いたかが違います。
改めて7本を見比べると、共通点がひとつありました。
全員が、先に理不尽な目に遭っています。
ストーカーに命を狙われた人。親を殺された人。恩人を殺されかけた人。妻を死に追いやられた人。
順番が逆なんですよね。
彼らは最初から加害者だったわけではありません。
もちろん、だから許されるという話ではありません。
それでも「この人が最初に何をされたのか」を知ってしまうと、単純に責められなくなる。
コナンがこれだけ長く読まれ続けている理由の一端は、ここにある気がしています。
まとめ
| 回名 | 犯人 | 収録・話数 | 動機 |
|---|---|---|---|
| ピアノソナタ『月光』殺人事件 | 浅井成実(麻生成実) | 原作7巻/アニメ11話 | 父・麻生圭二の死をめぐる復讐 |
| ストーカー殺人事件 | 西谷美帆 | アニメ71話(アニオリ) | ストーカー被害者からの反撃 |
| 名家連続変死事件 | 日向幸 | 原作15〜16巻/アニメ77〜78話 | 20年前の火事で両親を殺された |
| 14番目の標的 | 沢木公平 | 劇場版第2作 | ひき逃げで味覚と仕事を失った |
| きのこと熊と探偵団 | 雑賀又三郎 | アニメ212〜213話 | 命の恩人である熊を守るため |
| 天国へのカウントダウン | 如月峰水 | 劇場版第5作 | 終の住処からの富士山を高層ビルに遮られた |
| 大阪”3つのK”事件 | レイ・カーティス | 原作29巻/アニメ238〜239話 | 虚偽記事で妻を自殺に追い込まれた |
この記事の要点は3つです。
- 全員、最初から加害者だったわけではない
- 同情には濃淡がある
- 月影島の事件は出発点
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あなたが同情してしまった犯人は、どの回でしたか?









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